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環境対応フィルム包装材開発
東レなど、欧州規制に対応

三友新聞 2024年6月13日号 より]

東レ(大矢光雄社長)は、米・ダウ、スペイン・COMEXI、サカタインクス、シャーク・ジャパン等と、CO₂削減と経済性を両立するフィルム包装材・技術を共同開発した。欧州食品プラスチック規制(包装材と包装廃棄物に関する指令)にも対応する「表刷りモノマテリアルフィルム包装材技術」で、食品や日用品用途での幅広い展開を図る。

フィルム包装材は人口増加などに伴い市場成長が見込まれているが、現在のフィルムは各種機能を持つ異素材を貼り合わせて機能や形状を付与しているため、リサイクルが困難だった。

環境意識の高い欧州では、2030年末までに包装材の100%リサイクル可能化を目指し、法整備などを進めている。リサイクルに関するガイドラインでは「90重量%以上をポリエチレンまたはポリプロピレンに統一化するモノマテリアル化」等が提示されており、東レなど5社は共同でその推奨構成を満たしながら、プラスチック使用量を削減し、印刷工程で発生するCO₂も大幅に削減できる技術を開発。製造プロセスが短くなることから、コスト削減や納期短縮につながることも期待できるという。

共同開発の中で、東レは水での現像が可能な製版プロセスと、高精細な印刷品質を実現する新規フレキソ版RESOLUCIAを、フィルム包装材印刷に適用した。

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