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三井住友建設が循環式バイオトイレ独自開発
上下水道に接続せず利用可能「Smilet」

三友新聞 2024年6月13日号 より]

三井住友建設(柴田敏雄社長)は、上下水道に接続することなく水洗トイレとして利用可能なバイオトイレ「Smilet(スマイレット)」を開発した。災害時や上下水インフラが整っていない自然公園、建設現場などにおけるトイレ環境の改善に寄与する。

「スマイレット」の開発イメージ

バイオトイレは排泄物を微生物の働きによって分解、処理するもので、水を使用せずオガクズなどの木質材と混ぜ合わせることで処理する「無水式」が一般的だ。

三井住友建設のスマイレットは、水洗トイレと汚水処理槽や貯水槽、蒸発処理槽などで構成した独自の「水循環式バイオトイレ」であり、上下水道への接続やバキュームカーによる汲み取りが不要。水洗であることには、便器の汚れや虫の繁殖を抑えるなど衛生面での利点がある。

スマイレットはまず、排泄物を汚水処理槽で微生物の力により処理水と余剰汚泥に分離する。分離した処理水は貯水槽内で電気分解処理による殺菌・脱色を施し再利用する。余剰汚泥は杉チップによる蒸発処理槽に移送・攪拌し、蒸発処理により体積を減らす。

三井住友建設は昨年10月から、自社の建設現場でスマイレットの実証実験を行い、「大腸菌の発生なし」「不快な臭いなし」「余剰水の溢れなし」 「洗浄水の不快感なし」などの結果を確認した。

将来的には途上国などインフラ未整備地域への普及も目指すとしている。

実証実験機

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