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啓明学園が北泉寮を特別公開
旧三井家別邸、案内ツアーは今年度で終了

三友新聞 2019年10月31日号 より]

三井家が戦前に創設した東京・昭島の啓明学園は10月16日、敷地内にある東京都指定文化財「北泉寮」の見学ツアーを行った。北泉寮は戦前まで三井家の拝島別邸として使われていた名建築。特別公開を毎月1回行っていたが、建物の老朽化に伴い今年度で終了する。

ツアーはまず、北泉寮とともに東京都指定文化財の認定を受けた学園正門「数寄屋門」から始まり、校舎を抜けて庭園に佇む北泉寮へ。瓦に施された三井家の家紋「四つ目結」など外観を見て回った。

庭園から臨む北泉寮

学園正門として残る数寄屋門

瓦に刻まれた三井家の家紋「四ツ目結」

続いて北側玄関から中に入り、大広間、寄木張の床で作られた食堂などを巡った。最も格式の高い洋風応接間には旧三井物産が英国から輸入したマントルピース(暖炉の装具)が置かれ、細部まで作り込まれた装飾に参加者から感嘆の声があがった。

茶会も行われた2階大広間

細部まで装飾が施された洋風応接間

北泉寮の建物は旧佐賀藩主・鍋島直大の邸宅として明治25年(1892)、千代田区永田町に建てられた。関東大震災後に三井総領家第10代当主・三井八郎右衞門高棟が買受け、拝島に移築し、増築。高棟の三男・高維は昭和15年(1940)、海外在勤者の子女教育を目的に「啓明学園」を開設し、学園用地として拝島別邸を譲り受ける。戦中は生徒の疎開先となり、戦後は教室や寮として使用された。

今年度の残りの公開日は、11月13日、12月4日、1月15日、2月19日、3月4日の5日間。予約は不要。公開の詳細は啓明学園のホームページまで。

啓明学園

三井の歴史にまつわる施設「啓明学園」

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