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大井ふ頭で水素燃料クレーンが荷役開始
三井E&Sなどが国内初稼働実現
[三友新聞 2024年11月7日号 より]
三井E&S(高橋岳之社長)は大井コンテナふ頭で国内初の水素燃料門型クレーンによる荷役を始めた。ディーゼル燃料を水素燃料に切り替えて脱炭素化を図る。今年度末まで実施し、荷役能力などを検証する。
東京都港湾局、日本郵船、ユニエツクスNCT、岩谷産業を含めた5者で進める。日本郵船は全体計画の調整・実施、ユニエツクスNCTは水素充填作業、岩谷産業は水素燃料の調達、三井E&Sは発電機の換装を担う。対象クレーンは1基。水素タンクなどをセットにした「FCパワーパック」を装備しており、電力を大容量リチウムイオン電池に蓄電し、瞬間的な大出力にも対応できる。水素は千葉県の水素工場で製造し、トレーラーで運ぶ。ふ頭内に設置した供給ユニットで昇圧してから充填する。東京都は東京港コンテナふ頭の全クレーン約140基を2030年までに水素燃料クレーンへ換装する考え。
米国ロサンゼルス港では今春、国内よりもいち早く三井E&Sの水素燃料クレーンが世界初の商業運転を始めた。米国政府は主要港で多く使用されている中国製クレーンを順次、水素燃料クレーンなどに切り替える方針で、パートナー企業に三井E&Sの米国子会社・パセコを挙げている。