会員会社ニュース

東レに「日本人工臓器学会技術賞」
病気の原因となるタンパク質を除去

三友新聞 2023年12月14日号 より]

東レ(大矢光雄社長)は、血液中の病因タンパク質を高効率に吸着する革新的なポリメチルメタクリレート(PMMA)多孔質繊維カラムで、一般社団法人日本人工臓器学会の「2023年度日本人工臓器学会技術賞」を受賞した。

受賞技術は、同社が世界で唯一製品化しているタンパク質を吸着する特性をもつPMMA製中空糸膜型血液透析器「フィルトライザー」で長年培った実績に基づき、PMMA製中空糸膜の紡糸技術を応用したもの。タンパク質を高効率に吸着できるPMMA多孔質繊維によって、透析アミロイド症の原因タンパク質ベータ2ミクログロブリン(β2-MG)を除去する小型高性能な吸着型血液浄化カラムとして実用化したことが評価された。

血液浄化治療における病因物質の除去や、バイオ医薬品製造における不純タンパク質の除去など、生体由来成分から特定のタンパク質を高効率に除去するニーズが高まっており、同社が開発したPMMA多孔質繊維技術は除去ターゲットに合わせて細孔径を変えることで、各種サイズのタンパク質を除去可能なため、波及効果が大きい。

東レは今後、技術を活用した新たな吸着型血液浄化カラムの創出や様々な用途展開を目指すとしている。

他の記事も読む