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「国宝 雪松図と能面×能の意匠」開会
三井記念美術館、1月27日まで

三友新聞 2023年12月14日号 より]

三井記念美術館は12月8日、「国宝 雪松図と能面×能の意匠」を開会した。年末年始会期恒例の「雪松図屏風」と、豊かな表情を見せる能面や繊細な色と文様で装飾された能装束を特集。能面作家の橋岡一路氏から新たに寄贈を受けた能面も一堂に展観し、能の奥深さに迫る。

館内は7部屋に分かれ、展示室1・2ではアクリル板を使用して能面を飾る。五穀豊穣を祈る演目で使用される「」の丸みを帯びた皺の盛り上がりや、自ら両眼をえぐり取ったと伝わる武将・平景清の面「景清」の瞼のくぼみ具合など、能面独特の立体表現・質感表現を多方向から鑑賞することができる。

展示室4では「雪松図屏風」に三井家から伝わる華麗な能装束を合わせて展示。様々な文様が刺繍のように織り込まれた「唐織」や、生地に刺繍と金・銀箔を貼り付ける技法が施された「縫箔」などを揃えて意匠の創意工夫を紐解く。

展示室7では今年10月に死去した能面作家・橋岡一路氏からの寄贈作品を特集。観世流の名家だった橋岡家は明治時代に三井家と交流があり、一路氏も三井記念美術館の館蔵品の修復を手掛けるなど三井と関係が深い。由緒ある面をもとにして精巧に作り上げた多数の「写し」や、橋岡家伝来の古面を展示している。

入館料は一般1000円。会期は1月27日まで。

三井記念美術館

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