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欧州で包装資材加工会社買収
王子HDがEU規制対応、脱プラ推進

三友新聞 2023年11月16日号 より]

王子ホールディングス(磯野裕之社長)は、包装・包装廃棄物規制に関連したリサイクル及び脱プラスチックの分野で最先端の原材料加工技術を持つフィンランド・ワルキ社の買収を発表した。環境規制が進む欧州で、パッケージング事業の基盤構築を図る。

米投資ファンドから全株式を取得する。買収額は非公表。ワルキは8カ国に17の工場を持ち、2022年12月期の売上高は7億500万ユーロ(約1114億円)。食品・日用品向けのリサイクル可能バリア性紙包装資材や機能性段ボールなど産業製品向け環境配慮型紙包装といった消費者向け・産業用パッケージ、建設産業向け高性能断熱材、自動車向け内装材などの特殊品を手掛ける。

ワルキはEU包装規制に適合する資材について欧州トップクラスの製造ノウハウを持つ。同社の技術で加工された紙製品は食品向けを中心に幅広い用途で採用が進み、環境配慮型包装資材として欧州市場で着実にシェアを伸ばしているという。

王子はワルキを傘下に加えることで、王子のバリア技術をワルキの高い加工技術と融合させ、環境面に配慮した紙包装資材のより幅広いソリューションを提案できるようになるとしており、従来の使い捨てプラスチック包装から紙包装への切り替えを推進する。

王子は欧州基準をクリアするワルキの技術を活用した環境対応包装ソリューションを提案ラインナップに加えることで、ニーズに対応し今後の拡販を目指す考え。

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