会員会社ニュース

三井住友建設が橋の補強・防食に新工法
交通インフラの持続可能性向上に貢献

三友新聞 2023年10月26日号 より]

三井住友建設(近藤重敏社長)と住友大阪セメントは、塩害で劣化した中小規模のコンクリート橋の耐荷性と耐久性を向上させる「アラミド繊維・電気防食併用工法」を共同で開発した。実際の橋梁を想定した模擬試験を実施して効果を確認し、実用化に目途を付けた。

コンクリート内の鉄筋の腐食を防ぐ効果を持つ「陽極材」として、チタン製の薄いテープをコンクリート表面に貼り付け、耐久性を向上させる。その上からさらにアラミド連続繊維シートを貼り付けることで、耐荷性も強化する。

テープ式陽極材の貼り付け状況

テープ式陽極材の上に貼り付けたアラミド連続繊維シート

従来の電気防食(腐食を防ぐ)工法では陽極材をコンクリートに埋め込んでいたが、新工法ではテープの貼り付けで済むため設置作業を50%省力化できる。

国内のコンクリート橋は供用開始後40~50年を経て老朽化したものが多く、適切な維持・管理が必要とされる。特に沿岸部に建設されたコンクリート橋では、海から飛来する塩分の影響で鉄筋の腐食やコンクリートの浮き・剥離、ひび割れなどが多く報告されている。

三井住友建設と住友大阪セメントは、同工法を特に地方自治体が管理する中小規模のコンクリート橋に積極的に提案し、交通インフラの持続可能性向上を図る考え。

他の記事も読む