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デンカの導電助剤に助成金
低炭素アセチレン量産技術構築へ

三友新聞 2023年8月24日号 より]

デンカ(今井俊夫社長)は、xEVのリチウムイオンバッテリー等に使われる高機能導電助剤「アセチレンブラック」の国内供給体制の強化拡充について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構から助成金の交付を受ける。

同社主力製品の一つであるアセチレンブラックの供給体制強化については、6月に経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」の認定を受けており、今般、助成金交付が正式決定したもの。総事業費約67億円に対し、最大で約33億円が助成される。

デンカはアセチレンブラックの原料となるアセチレンをカーバイド法と石油化学法で製造しているが、大牟田工場で採用しているカーバイド法は製造過程でのCO₂発生量が多いことが課題だった。

同社は5月に、米ベンチャーのトランスフォームマテリアル社とマイクロ波プラズマを用いたメタン(炭化水素)からアセチレン・水素を製造する技術の量産化に関する共同開発契約を結んでおり、今般の助成金を利用して実証・研究設備を導入し、低炭素アセチレンの量産技術構築に向けた開発を進める考え。

アセチレンブラックは、超高純度で高い導電性能を持つことから、モビリティの電動化と蓄電池の高性能化を支える重要素材として今後も需要の急伸が見込まれている。

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