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アンモニアを分解し水素を製造
TOYO・米KBRが商業化推進へ覚書

三友新聞 2023年8月24日号 より]

東洋エンジニアリング(細井栄治社長、TOYO)は米KBR社と、同社が保有するアンモニア分解技術からの水素製造「H2ACT(=Hydrogen from Ammonia Cracking Technology)」の商業化推進に関する覚書を締結した。

水素は低炭素社会を実現するクリーンエネルギーとして将来的な活用が期待されているが、製造や供給におけるコスト面で課題が多い。水素(H₂)の運搬には、水素自体の液化やトルエンに反応させるなどして体積を小さくする方法が検討されており、アンモニア(NH₃)も有力手法の一つとして注目されている。アンモニアにはそれ自体の運搬や貯蔵の容易さに加え、火力発電でのアンモニアの直接利用など用途の広さが利点として挙げられる。

KBRは世界トップシェアのアンモニア製造プロセスライセンサーとして高い技術力を保有している。TOYOはKBRと、1968年から50年間以上にわたる協業体制を構築しており、全世界で87基のアンモニア製造プロジェクトを手掛けてきた実績と技術・知見を持つ。

今回両社は、これまでのアンモニア製造技術に関する連携だけでなく、新たにアンモニア分解技術を協業対象とすることで覚書を締結した。両社の優位性を活かして、H2ACTの商業化へ向けて顧客開拓活動も含めて協力し、社会実装の早期実現を目指す。

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