会員会社ニュース

三井記念美術館で特別展「超絶技巧、未来へ」
明治期と現代のアート作品集結、9月12日から

三友新聞 2023年8月24日号 より]

三井記念美術館は9月12日から特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」を開く。2014年、2017年開催の「超絶技巧シリーズ」の第3弾で、明治時代の七宝や金工、漆工、木彫、陶磁、刺繍絵画など57点と、そのDNAを引き継いだ現代作家による金属、木、陶磁、漆、ガラス、紙など多彩な素材による作品64点を展示する。会期は11月26日まで。

明治期に動物の牙を彫る牙彫作家として活躍した安藤緑山の「柿」は象牙が素材。一部が変色し反り返ったヘタや皮についた黒いキズなど細やかな描写で本物そっくりの作品に仕上げた。同じく明治の金工作家・正阿弥勝義が手掛けた「糸瓜花瓶」は銅の合金で糸瓜を象った花瓶。蔓状に絡みつく茎と葉とともにヘビに驚いて逃げるカエルまで精巧に細工されている。

現代作家の大竹亮峯さんの「月光」は年に一度花を咲かせる「月下美人」を表した花器。鹿角を使用して象られた47枚の白い花弁は花器に水を注ぐと開く仕掛けが施されている。前原冬樹さんの「『一刻』スルメに茶碗」はスルメ本体と、それを挟む木のクリップ、金属のチェーンに至るまで一本の角材から彫り出されたもの。「一木造」と呼ばれる技法で、見る者に味まで思い出させるようなスルメを生み出した。

開館時間は午前10時から午後5時まで。入館料は一般1,500円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。休館日は月曜日。

三井記念美術館

他の記事も読む