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フィルム包装材製造時のVOCフリーに
東レ・三井化学・熊谷が共同開発

三友新聞 2023年6月8日号 より]

東レ(日覺昭廣社長)、三井化学(橋本修社長)、熊谷は、モノマテリアルフィルム包装材と製造技術を共同で開発した。

一般的なフィルム包装材の製造工程では、印刷に使われるインキやプラスチックフィルム同士のラミネート工程で用いられる接着剤に石油系溶剤が使用されており、VOC(揮発性有機化合物)の発生源となっている。また、加熱乾燥のために多量の電力が使われるほか、機能付与のために異なる素材のフィルムを貼り合わせていることからリサイクルが困難で、通常は廃棄物として焼却処分されていた。

この課題に対し、東レは省電力で熱乾燥工程が不要な電子線硬化インキに対応した独自のオフセット版「IMPRIMA」による印刷工程を、三井化学は石油系溶剤を使用しない接着剤によるラミネート工程を実証することで、インキ・接着剤に石油系溶剤を使用しない製造工程のVOCフリー化を実現。乾燥に使う電力も大幅に削減可能で、CO₂排出量を従来比で80%低減できる。

さらに、熊谷のパッケージ製造加工技術を組み合わせることで単一のフィルム素材からなるモノマテリアルフィルム包装材の開発にも成功。従来に比べ容易なリサイクルを可能とした。

3社は今後、食品や日用品向けフィルム包装への実用化と社会実装を目指し、流通やブランドオーナーへの提案を進めていく考え。

開発したモノマテリアルフィルム包装材

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