会員会社ニュース

即効性・持続性に優れた抗ウイルス粒子
東レが開発、従来比100倍の速度で不活化

三友新聞 2022年7月7日号 より]

東レ(日覺昭廣社長)は、ウイルスを従来比約100倍の速度で不活化する、即効性に優れる新たな抗ウイルス粒子を開発した。

ウイルス感染対策では薬剤による消毒は即効性が高く有効である一方、短時間で揮発するため定期的な実施が必要となる。揮発しない金属系の抗ウイルス剤の場合は、一般的に持続性はあるものの、不活化に1時間以上かかるものが多く、即効性と持続性の両立が課題となっていた。

東レは、機能性粒子の設計・合成技術と表面制御技術を活用した、酸化セリウム粒子の独自の合成方法と表面処理技術により、ウイルスに対する吸着性と酸化分解機能を付与することで、新型コロナウイルスを15秒で99.9%以上、5分で99.99%以上不活化する抗ウイルス粒子を開発。同粒子のウイルス不活化速度は、従来の金属系抗ウイルス剤と比較して約100倍以上と、世界最高レベルの即効性を実現させた。

同粒子は揮発せず、薬剤や金属イオンなど有効成分の徐放によるウイルス不活化原理とは異なるため、効果の持続性が期待できるほか、危険有害性が低く、耐変色性や耐腐食性にも優れる。

コーティング加工や練り込み加工にも対応でき、東レではマスク・医療用ガウン用途向け不織布やエアフィルター、カーシートなど、飛沫感染や接触感染対策のため抗ウイルス性能が期待される製品に適用していく。

他の記事も読む