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新造木材チップ船に海洋プラ回収装置
商船三井が5隻目、1隻で年間数万個回収

三友新聞 2021年4月8日号 より]

商船三井(橋本剛社長)は微細な海洋プラスチックごみ「マイクロプラスチック」の回収装置を搭載した木材チップ船を新造する。丸住製紙向けに2022年の竣工を目指す。

回収装置は商船三井と、ボイラーや水処理機器などを手掛ける三浦工業が共同開発したもの。両社は昨年、回収装置を搭載した木材チップ船で実証試験を行い採取に成功した。

回収したマイクロプラスチック

一般の商船がマイクロプラスチックを回収するのは世界初の試み。船舶の重りとして使われる海水・バラスト水の処理装置に回収装置を組み込み、フィルターで船舶から排水されるバラスト水の一部を濾過して荷役中にマイクロプラスチックを回収する。一隻あたり年間数万個の回収量を見込む。回収装置はこれまでにばら積み船など3隻に搭載されており、計画中も含めて今回が5隻目となる。

マイクロプラスチックは海上に漂うプラスチックごみが紫外線や波の影響で5mm以下に微細化されたプラスチック粒子。長期にわたり残存する海洋汚染物質として懸念されているが、回収の指針となる具体的な国際的ルールは定められていない。

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