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展覧会「敦煌写経と永樂陶磁」開催
三井記念美術館で9月12日から

三友新聞 2020年8月27日号 より]

三井記念美術館は9月12日から展覧会「敦煌写経と永樂陶磁」を開く。所蔵する敦煌写経のうち、唐時代の般若経など精選した34点とともに、三井家とゆかりの深い江戸時代の陶工・永樂保全の中国陶磁を写した名器を組み合わせて展示し、経巻と陶磁の世界観を紹介する。会期は11月8日まで。

三井家に伝わる経典は中国・敦煌から出土した「敦煌写経」で、昭和初期に三井総領家(北家)の手に渡った。首尾完存している貴重な「摩訶般若波羅蜜経 巻第十三」は仏典の漢訳者として知られる鳩摩羅什訳の「摩訶般若波羅蜜経」のうちの一巻。筆致は唐時代に見られる謹厳端正な写経体で、7世紀末期から8世紀初期に書写されたと見られる。

永樂保全(1795〜1854)は千家好みの職人・千家十職のうち、土風炉師の名跡・善五郎の11代目を襲名した名陶工。中国陶磁の名品の写しを精力的に制作し、京焼らしい作品を数多く残した。

三井家は10代・了全と11代・保全の頃から永樂家最大の後援者を務め、その交流は昭和まで続いた。「金襴手 四ツ目結桐紋天目」は三井家の家紋である四ツ目結紋と桐紋を配した天目茶碗。箱書には北家七代・三井高就の還暦祝いに作られたものとある。

入館料は一般1,000円。開館時間は午前11時から午後4時に短縮するほか、混雑時は入館制限を行うなどの新型コロナウイルス対策を実施する。

三井記念美術館

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