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旧三井文庫第二書庫が国の有形文化財に登録
日本最古の鉄筋コンクリート造

三友新聞 2019年11月28日号 より]

東京・戸越に残る「旧三井文庫第二書庫」がこのほど、国の有形文化財に登録されることが決まった。       

第二書庫は大正11年(1922)に完成。14m×9mの長方形の建物で、柱ではなく壁が荷重を支える壁式構造の鉄筋コンクリート造を採用している。当時の工法としては珍しく、書庫の空間を広げつつ、貴重な史料を火災から守るためと考えられている。

また、内部の書架の柱には鉄骨を用い、構造材としても利用するなど様々な工夫が見られ、「資料保存の意識が垣間見える巧みな構造に加え、日本最古の鉄筋コンクリート造の価値は注目すべきもの」と評価された。

戸越・文庫の森に佇む「旧三井文庫第二書庫」

竣工翌年には関東大震災に見舞われたが幸いにも被害を受けず、震災を教訓に追加の防火工事が施された。戦時中は空襲も乗り越えたが、三井財閥の解体に伴い三井文庫は活動を休止。昭和40年(1965)に財団法人として再建されたが、書庫は文部省の所管のまま、国文学研究資料館が置かれた。

その後、資料館は2008年に移転。跡地と書庫は品川区に移管され、戸越公園と連なる「文庫の森」として整備された。

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