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デンカ、シンガポールでMS樹脂増産
27億円投じポリスチレン設備を改造

三友新聞 2019年9月19日号 より]

デンカ(山本学社長)は、シンガポールの連結子会社(Denka Singapore Private Limited=DSPL)におけるポリスチレン(General Purpose Polystyrene=GPPS、製品名=Denka Styrol)の生産を停止し、生産設備を改造してMS樹脂(スチレンとメタクリル酸メチルの共重合体)の生産を倍増させる。設備改造に伴う投資額は約27億円。稼働開始は2021年上半期を予定している。

デンカはGPPSを1997年からシンガポールで生産販売していたが、海外市場ではポリスチレンが供給過剰となっていた。一方で、MS樹脂は液晶テレビやモニターの大画面化・狭額縁化により需要が急増しているバックライト用導光板をはじめとした光学用途、また中国を中心としたアジア太平洋地域で成長著しい化粧品用容器等の非光学用途の拡大により、現在は供給能力が不足している状況にある。

MS樹脂のリーディングカンパニーであるデンカは需要拡大に対応し、MS樹脂の生産を既存の7万tから倍増させ、14万tに引き上げる。また一基生産体制を二基体制にして、BCP対応の強化を図る。DSPLでは連続プラントでの精密制御技術を活かした低コンタミ、良外観を備えた製品を安定生産し、その品質は市場において高い評価を受けている。

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