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商船三井が世界初のLNG発電船事業開始
トルコ企業とモザンビークで

三友新聞 2019年9月19日号 より]

商船三井(池田潤一郎社長)は発電船を手掛けるトルコの複合企業・カラデニズと共同で、発展途上国向けに世界初のLNG発電船事業を始める。LNG発電船は陸上に発電所を建設するよりも短納期で初期費用も抑えられるほか、重油燃料と比べて環境負荷も低い。航行も可能で、「動く発電所」として安価な電力を安定的に使えるようになる。

第一弾の計画地はモザンビーク北部のナカラ港。具体的には、FSRU(浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備)と発電船の2隻を組み合わせて行う。FSRUでは液化輸送されたLNGを再ガス化し、発電船に送る。発電船はLNGを燃料に発電し、電力は陸上の送電設備を通じてモザンビークの国営電力会社に供給される仕組みだ。発電能力は120MW。商船三井はFSRUを、カラデニズは発電船を担う。

ナカラ港には重油燃料を使用しているカラデニズの既存発電船があり、改造してLNG燃料発電船に切り替える。商船三井は既存LNG船をFSRUに改造する。FSRUと発電船は合弁の船舶保有会社を設立し、共有する。船の改造は今春から進められ、2020年には操業を開始する予定だ。

両社はモザンビークを皮切りにLNG船発電事業の新ブランド「KARMOL」(カルエムオーエル)を立ち上げ、投資と営業活動を展開していく。

FSRU

発電船

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