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サッポロビールが次世代大麦を開発
気候変動に対応、味わいと両立

三友新聞 2024年6月6日号 より]

サッポロビール(野瀬裕之社長)は、気候変動による降雨量増加に強い次世代大麦の開発に成功した。ビール原料の品質としても問題なく、今後は新品種の登録出願とともに生産者拡大や収穫量の安定化を図り、2035年までに「黒ラベル」の原料としての使用を目指す。

近年は地球温暖化の影響で、農作物の収穫量減少や品質低下が懸念されている。大麦は長雨が続くと収穫前に発芽してしまい、ビール原料に使いにくくなる。気温上昇も重なり、同社の大麦の年間調達額は2030年には2億円、50年には5億円増える見通しだ。

新品種は同社が開発した2種類の大麦を交配させたもの。長雨でも発芽しにくい大麦と、黒ラベルの一部原料にも使用している、ビールの香味や泡持ちを向上させる大麦を交配。9年をかけて両方の特性を兼ね備えた次世代大麦の開発に成功した。長雨による発芽リスクは従来の7分の1程度に抑えられる。試験醸造の結果、「黒ラベルと味覚的な類似性が高い」と判定された。

開発に成功した次世代大麦

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