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アルミ付き紙容器をリサイクル
王子HD・日本テトラパックが日本初

三友新聞 2024年3月14日号 より]

王子ホールディングス(磯野裕之社長)は日本テトラパックと協業し、使用後のアルミ付き紙容器を紙繊維、ポリエチレン・アルミ層へ分離し、紙繊維部分を段ボールとしてリサイクルするシステムを、国内で初めて確立した。

昨年7月から関西で実証試験を始めており、今後エリアを拡大し、全国規模のリサイクルシステム構築を図る。店頭や行政で回収した使用済み製品に加え、工場から出る損紙も回収し、王子グループの工場で段ボールへリサイクルする。再生段ボールは紙容器回収ボックスとして使用されるほか、食品・飲料業界での使用も目指す。

日本国内では現在、アルミ付き紙容器のほとんどは焼却処分(サーマルリサイクル)され、紙製品への再利用(マテリアルリサイクル)の割合は3.4%と非常に低い水準にとどまっている。

王子HDは古紙利用率70%以上を目指し、これまで古紙利用率が低かったチルド向け紙容器やアルミ付き紙容器のリサイクルシステムの構築を進めている。またテトラパックはバリューチェーン全体でのネットゼロを目標に、使用済み紙容器を焼却して発生する温室効果ガスを削減するため、世界各地で紙容器の回収・リサイクルに取り組んでいる。

アルミ付き紙容器のリサイクルシステムを構築することでリサイクルの実現可能性を高め、段ボールは再度段ボールにリサイクルすることで、両社は循環型経済の実現に貢献していく考え。

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