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空気と水からアンモニアと水素を同時合成
三井化学、光バイオ触媒の生成速度改善

三友新聞 2023年11月30日号 より]

三井化学カーボンニュートラル研究センター(MCI-CNRC)は、光バイオ触媒で空気と水からアンモニアと水素の同時合成に成功した。

肥料の合成やグリーン水素の輸送媒体として期待されるアンモニアは、高温高圧の厳しい反応条件下では、合成時に多くのCO₂発生を伴う。一方、バイオ触媒では温和な条件で合成できるが生成速度が遅いという課題があった。

今般、MCI-CNRCでは生体触媒の機能の一部を光触媒と電子伝達系を組み合わせることで改善し、80倍以上の合成速度となることを発見。光バイオ触媒による常温常圧での窒素と水からアンモニアと水素の合成に成功した。

この成果により、再エネ起源のグリーン水素の利用促進のみならず、肥料などに使われるアンモニアの温和な条件での合成を通して持続可能な社会の実現に寄与することが期待される。今後は、アンモニアの生成速度をさらに向上させることを目指す一方、5年後程度での実用化を見据え、パネル型の反応器に応用し、三井化学と連携して実用性を高めていく。

MCI-CNRCは、三井化学が九州大学と共に同大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所内に2021年に設置した共同研究機関。

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