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三井金属が藻類産業ベンチャーに出資
事業拡大支援、シナジー創出図る

三友新聞 2023年10月5日号 より]

三井金属(納武士社長)は、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)を通じて藻類産業の創出を目指す「ちとせグループ」の統括会社CHITOSE BIO EVOLUTIONに出資した。

藻類は光合成によってCO₂から有益な有機化合物を効率的に生成しており、藻類の活用は化石資源に依存しない持続可能な社会を実現する手段として期待されている。ちとせグループは藻類や微生物、細胞の大量培養に関する豊富な知見を持っており、藻類によるCO₂の資源化を実現することで、バイオサーキュラーエコノミー(生物の力を利用した循環型経済)の推進を図っている。

CHITOSE BIO EVOLUTIONは今回、三井金属を含む8社を引受先として総額31億円の第三者者割当増資を実施した。調達した資金は、ちとせグループによる石油産業に代わる藻類基点の産業構築プロジェクト「MATSURI」の推進に使用される。同プロジェクトでは今年4月、マレーシアに世界最大規模となる5haの藻類生産設備を開所させており、今後も規模の拡大を目指している。

三井金属は今回の出資を通じ、自社が保有する触媒技術や分離精製技術等を応用することで、CHITOSE BIO EVOLUTIONとともに藻類によるバイオものづくりバリューチェーン構築に貢献するほか、バイオエコノミー領域への事業機会追求を図る考え。

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