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セメント不使用コンクリート、建物に適用へ
三井住友建設が「特別工法評定」国内初取得

三友新聞 2023年9月21日号 より]

三井住友建設(近藤重敏社長)は、独自に開発した環境配慮型コンクリート「サスティンクリート」でセメントを使用しないゼロセメントタイプを用いた建築物が実現可能になったと発表した。建築基準法の技術的基準に合わせて性能を評価する、一般財団法人日本建築センターの特別工法評定を国内で初めて取得したことによるもの。

サスティンクリートは、コンクリートに通常用いられるセメントの使用量を減らすことで、材料に由来するCO₂排出量を40~90%削減できる環境配慮型コンクリート。製鉄所の高炉や石炭火力発電所などで発生する各産業副産物を利用し、その特性を考慮した配合・調合の最適化を図ることで、構造物として要求される性能を満たしつつCO₂排出量が多いセメントの使用量を低減させている。

セメントを使用しないコンクリートの建築構造部材への適用は建築基準法の範囲外となっているが、三井住友建設は今回、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授の協力を得て、材料特性や構造性能、耐火性能を確認。ゼロセメントタイプのサスティンクリートが一般的なコンクリートと同様に取り扱えることを国内で初めて実証した。

サスティンクリートの性能実験の様子

この結果をもとに、現在計画中の地上3階建ての建物を対象に、躯体構造のすべてのプレキャストコンクリート(工場で製造し現場へ持ち込むコンクリート)部材にサスティンクリートを使用することについて特別工法評定を取得した。

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