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橋梁床版点検の作業時間を半減
三井住友建設がロボット・AI活用

三友新聞 2023年6月1日号 より]

三井住友建設(近藤重敏社長)は、橋梁において車両などの荷重を受ける部材である「床版」の診断・補修設計を省力化する「床版維持管理システム」を開発した。これまで人の手で行ってきた調査・診断と補修設計作業を自走式点検ロボットとAIによって効率化し、作業時間を半減させた。

交通インフラの老朽化は全国的な課題となっているが、橋梁の維持管理のためには従来、狭い足場上での近接目視調査や損傷図の作成と損傷度判定、補強設計などを人手の作業で行っており、多くの時間と費用がかかっていた。

今回開発した「床版維持管理システム」は、軽量な自走式ロボットが床版の裏側を自動で撮影し、得られたデータからAIで損傷度合いの評価・判定を行う。さらに自動設計ソフトがシート補強材の最適配置、CAD図面作成、必要な材料の数量計算までを自動で完了させる。

三井住友建設では、一連の作業を完了するまでにかかっていた40時間が、「床版維持管理システム」の導入により半分の20時間に短縮できるとしている。また、作業員にとっては安全性の向上や作業負荷の軽減を実現でき、見落としや誤認の低減にもつながる効果がある。

床版維持管理システムによる調査作業の様子

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