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超大型マグネシウム射出成型機の販売開始
日本製鋼所、EV向け需要に対応

三友新聞 2023年1月26日号 より]

日本製鋼所(松尾敏夫社長)は、マグネシウム射出成形機として世界最大の型締力3,000tを実現した新製品「JLM3000-MGⅡeL」を12月から販売開始した。車載ディスプレイ用のフレームなど、自動車・EV用途で高まるマグネシウム射出成形機の大型化ニーズに応える。本体価格は4億円から5億円程度で、年間10台の販売を目指す。

超大型マグネシウム射出成形機「JLM3000-MGⅡeL」

射出成型は溶かしたプラスチック原料などの材料を金型に流し込み、冷却して固めることで複雑形状の成形品を大量生産する工法。流し込まれる材料の圧力に負けないよう金型を強く締め付ける必要があり、その力を型締力という。

マグネシウムは世界中に豊富に存在しリサイクルも容易だ。これにアルミニウムや亜鉛などの別の金属を加えたマグネシウム合金は軽量性、剛性、放熱性、電磁波シールド性、寸法安定性など多くの特徴を持つ。

日本製鋼所のマグネシウム射出成形機は、半溶融を意味するチクソトロピー状態のマグネシウム合金を射出成型する「チクソモールド法」を採用。完全に溶融させるダイカスト法と比較して「溶解炉や防燃ガスが不要」など環境配慮の面からメリットがある。これまで型締力の異なる4機種をラインナップしてきており、最大の型締力となる今回の新製品ではシリーズ初となる電動型締装置を採用。油圧型締機構を採用した場合と比べて消費電力を約20%削減する。

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