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三井E&S、港湾クレーンに水素活用
トヨタ製の燃料電池・タンクと連携

三友新聞 2022年9月8日号 より]

三井E&Sマシナリー(田中一郎社長)は、港湾内でコンテナの積みおろしを担うクレーン「トランステーナ」用に開発中だった水素燃料電池パワーパックについて、水素ガスによる性能試験を行い、計画値どおりの発電に成功した。

同社が製造・販売するトランステーナは、動力源であるディーゼルエンジン発電機だけでなく、コンテナ引き下げ時に発生する回生エネルギーを電池に蓄えて動作に利用する「ハイブリッド型」を展開。最近では、ハイブリッド型からさらに電池を大型化し、ディーゼルエンジン発電機を水素燃料電池に換装可能な仕様の「ニア・ゼロ・エミッショントランステーナ」を開発していた。

今回の試験結果を受け、三井E&Sマシナリーは10月から、港湾クレーンの製造を担う大分工場(大分県大分市)でディーゼルエンジンの代わりに水素燃料電池を搭載した「ゼロ・エミッショントランステーナ」の実証運行を開始する。

ゼロ・エミッショントランステーナのイメージ

水素燃料電池パワーパックで利用した燃料電池と高圧水素燃料タンクはトヨタ自動車(豊田章男社長)が開発したもの。トヨタは今年3月、自動車以外への水素の利活用拡大を目的に、「水素貯蔵モジュール」のコンセプトモデルを発表していた。三井E&Sマシナリーによる今回の取り組みは、トヨタのコンセプトモデルを自動車以外に応用する初の具体例となる。

水素燃料電池パワーパックの外観

高圧水素燃料大型タンクモジュール

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