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リサイクル可能な紙コップ原紙を開発
王子HD、ラミネート紙を代替
[三友新聞 2022年7月21日号 より]
王子ホールディングス(磯野裕之社長)と傘下の王子パッケージング(松原一彰社長)は、「マテリアルリサイクルに対応した環境配慮型コップ原紙」の開発に成功した。
紙コップや牛乳パックなどに使われるラミネート紙は、ラミネート層の剥離が困難なため、難古紙再生設備保有会社ではリサイクル可能だが、一般的にはリサイクルできず可燃ごみとして扱われており、マテリアルリサイクルの観点では課題とされていた。
今般、王子は水系樹脂コーティング技術を活用した新たなコップ原紙を開発。特殊な水系樹脂を紙表面に薄く均一にコーティングすることで紙コップに必要な耐水性・耐油性に加え、熱で融着することができるヒートシール性を持たせ、現行の紙リサイクルシステムで紙原料としてリサイクル可能とした。
世界的に環境意識が高まり、プラスチック削減の動きが加速する中、王子はプラスチック代替素材として環境配慮型の紙製品の開発を進めており、リサイクル可能で高いバリア性を備えた「シルビオ バリア」などの機能紙を上市している。