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全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD」
三井金属が量産試験完了、サンプル供給開始

三友新聞 2021年11月18日号 より]

三井金属(納武士社長)は、全固体電池向けの固体電解質として開発を進めていた「アルジロダイト型硫化物固体電解質」の量産試験用設備での検証を完了させた。「A-SOLiD」と名付けて商標登録し、全固体電池の開発を目指すメーカーへのサンプル供給を開始した。

三井金属は2016年、電解液と同等水準の高いリチウムイオン電導性を持ち、電気化学的に安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」を量産性に優れた工法で開発した。2019年には本格量産時を見据えた設備の導入を発表し、量産に関する検証に着手。このほど検証を完了させ、「A-SOLiD」ブランドでのサンプル供給を開始した。

三井金属と協働するマクセルは「A-SOLiD」を使用したコイン型全固体電池の開発を手掛けており、今年9月には、昨年発表時のものから大幅に性能を向上させた電池のサンプル出荷を開始すると発表。三井金属は「EV用途向けのA-SOLiDサンプルの要望も増加し、評価が順調に進んでいる」としている。

車載用全固体電池の実現は2020年代後半とも言われるが、三井金属では全固体電池ならではの新たな用途の可能性も見据え、電池メーカーや市場パートナーと協働していく考え。

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