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三池炭鉱鉄道車両、群馬の鉄道遺構で展示へ
三井化学が中之条町に3両譲渡

三友新聞 2020年4月16日号 より]

三井化学(橋本修社長)は、5月に予定する大牟田工場(福岡県大牟田市)の三井化学専用線(旧三池炭鉱鉄道)廃止にあたり、このほど、現在は稼働していない無蓋車2台とモーターカー1台を群馬県中之条町に譲渡した。

無蓋車の移設の様子

譲渡されたモーターカー

三井化学が三池港との原料輸送で使用していた専用線は、明治42年(1909)から三井三池炭鉱の石炭輸送で用いられていたもの。同社は路線と車両を受け継ぎ、100年以上にわたり運用を続け、地域住民や鉄道ファンからも親しまれてきた。

今回の譲渡は、炭鉱電車のレガシーとしての活用を検討する「ありがとう 炭鉱電車プロジェクト」の一環として行われたもの。無蓋車とモーターカーは中之条町の旧太子駅に保存され、今後、同駅にある鉄道遺構と共に展示される。

3月24日に移設作業が行われた。旧太子駅は、戦時中に鉄鉱石を搬出するために開業した貨物専用線で、戦後、旅客輸送も行われたが、昭和46年(1971)に廃線となっている。現在は一般公開されており、復元されたホームやレール、駅舎が昭和の面影を残す遺構として、鉄道ファンのみならず草津など近隣に訪れた観光客から人気を博している。

中之条町の旧太子駅


旧太子駅

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