会員会社ニュース

三井住友海上が1億ドルの大災害債発行
アジア企業初、シンガポールで

三友新聞 2020年4月16日号 より]

三井住友海上(原典之社長)は、国内の自然災害リスクを対象とする大災害債「Akibare Re 2020-1」を、シンガポールの特別目的会社を通じて発行した。発行額は1億米ドル(約110億円)。アジア所在会社によるシンガポールでの大災害債の発行は初めて。

大災害債はキャットボンド(Catastrophe Bond)と呼ばれ、高い利回りが得られるかわりに、災害が発生した場合に投資家の償還元本が減少する仕組み。

今回、三井住友海上が発行するキャットボンドは2020年3月の発行から4年間を満期とし、利回りは、担保債権の利回りに2.75%を上乗せする。対象とする災害は、日本国内の台風と洪水。三井住友海上は2つのリスクの再保険料を特別目的会社に支払い、対象とする災害が発生した場合には、キャットボンドの元本を原資に、特別目的会社から再保険金を受け取る。

近年、日本では大規模災害の発生頻度が増し、再保険市場の不透明性が高まっている。三井住友海上は、キャットボンドを通じた再保険を設けることで保有リスクの削減を図り、経営の健全性を強化する考え。

他の記事も読む