三井百科・百景

三井が建築した
日本最初の
銀行建築

「銀行発祥の地」を示すプレート

日本で最初に設立された銀行である第一国立銀行の建物は、三井が建築した海運橋三井組ハウスが譲渡させられたもの。現在の東京都中央区兜町にあるみずほ銀行兜町支店のATMコーナーの入口の横には、「銀行発祥の地」のプレートがはめ込まれ、次のとおり示してある。

「銀行発祥の地
この地は明治6年6月11日(1873年)わが国最初の銀行である第一国立銀行が創立されたところであります
昭和38年6月建立」

明治維新後、単独での銀行設立を目指す三井は明治5年(1872)6月、現在の東京都中央区日本橋一丁目及び兜町に架かっていた海運橋のたもとに海運橋三井組ハウスを竣工。これが日本最初の銀行建築とされる。

工事費は47,601両だったが、譲渡金額は約128,000両で、この差額により三井は駿河町(現東京都中央区日本橋室町)に「為換バンク三井組」を建築。この時に腕をふるった三野村利左衛門は「只で出来たようなものだ」と笑ったという。

この建物を譲渡されて明治6年(1873)8月1日に第一国立銀行が発足した。第一国立銀行は明治29年(1896)に第一銀行に改称。昭和18年(1943)に三井銀行と合併し帝国銀行、昭和23年(1948)に帝国銀行から営業譲渡を受けて分離し第一銀行発足。昭和46年(1971)に日本勧業銀行と合併し第一勧業銀行、平成14年(2001年)に富士銀行、日本興業銀行と分割合併しみずほ銀行、みずほコーポレート銀行となった。

(2015年2月6日掲載)

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