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PETのケミカルリサイクル効率化
日本製鋼所がキリンと実証成功
[三友新聞 2026年9月10日号 より]
日本製鋼所(松尾敏夫社長)は、キリンホールディングスのパッケージイノベーション研究所とともに、PET(ポリエチレンテレフタラート)のケミカルリサイクルにかかる時間を短縮する技術の実証実験に成功した。分子レベルまで分解した割合を示す「解重合率」について95%以上を達成するとともに、1時間当たり250kg以上の早さで安定してPETを分解する操業条件を確立した。
PETはペットボトルをはじめ衣類用の合成繊維や工業用途でも幅広く使われており、資源循環の重要性が高まっている。「ケミカルリサイクル」は分子レベルまで化学的に分解したうえで精製し、原料として再利用する手法であり、マテリアルリサイクルと異なり不純物を取り除けるためペットボトルに限らず幅広いPET原料を再生できる可能性があるが、従来は高温・長時間の反応条件が必要などエネルギー効率やコスト面で課題があった。
これに対しキリンは、PETとアルカリ成分とアルコールを一定の割合で混ぜることで、35~55度という低温かつ短時間でPETを分解できる「アルカリ解重合技術」を2023年に開発し、研究を進めてきた。今回の2社による取り組みは、キリンが開発したアルカリ解重合技術を、日本製鋼所が持つ樹脂製品を溶かして混ぜ合わせる装置「二軸混練押出機(TEXシリーズ)」で実証したもので、量産プロセスを想定した国内初の事例となる。
化学反応を促進する方法として一般的な「加熱」だけでなく、TEXシリーズによって機械による強い混ぜ合わせや摩擦などの力も利用する「メカノケミカル反応」を用いることで、少ないエネルギーで短時間に反応させることを可能にした。
実証実験で使用した二軸混練押出機