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「三井家野方墓所」1日限定公開
11月15日(土)、東京・中野で

三友新聞 2025年10月2日号 より]

東京・中野の公益財団法人三井文庫に隣接する「三井家野方墓所」が11月15日(土)に1日限定で公開される。墓所を管理する一般社団法人三井家同族会が2019年から始めたもので、今回が7回目。墓所には三井高利の墓碑や先祖の供養塔、近代以降の三井家の墓などがあり、毎年、三井家や三井系役職員、地域住民など100名超が訪れる。

野方墓所は東京における三井家の墓地。三井家は京都・真如堂を菩提寺とする一方で、本所の真盛寺を江戸の菩提寺に定め、三井高利をはじめとする一族の霊を祀った。大正期には野方(現中野区上高田)に墓所を移転。約6000坪の広大な敷地には三井11家のうち、五連家(松阪家、永坂町家、五丁目家、本村町家、一本松町家)の墓や斎堂を設け、法要には三井家や三井財閥の重鎮が集まった。『中野区史』には区内の名墓の一つとして紹介されている。

墓所の一番奥に鎮座するのは三井高利と妻・かねの墓碑。その両脇には三井各家が寄進した7体の「地蔵尊」が並ぶ。2基の「惣石塔」は三井越後屋奉公人の慰霊碑で、877名もの戒名が記されている。その隣には三井の重役・中西宗助一族の供養塔も。中西は三井越後屋の初期を支えた重鎮の一人で、その功績から三井姓の使用を認められた。

所在地は中野区上高田5-16-1。交通は西武新宿線・新井薬師前駅から徒歩6分。公開時間は午前10時から正午まで、午後1時から3時までの1日2回。入場は無料、予約は不要。

野方墓所内にある三井高利夫妻の墓碑

三井家野方墓所

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