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三井金属が高性能通信機器用の材料増産
設備増強で需要急増に対応

三友新聞 2025年8月28日号 より]

三井金属(納武士社長)は、高周波基板用銅箔の「VSP」と薄型基板内蔵キャパシタ材料の「FaradFlex」の両製品の生産体制を増強する。それぞれ役割は異なるが高性能通信機器に使用されており、拡大する需要に増産で応える。

VSPは三井金属の台湾工場とマレーシア工場で製造している製品で、鏡のような優れた表面平滑性により、高周波数帯におけるプリント基板の伝送損失低減に寄与することからサーバーやルーター、スイッチ等の高性能通信インフラ機器に採用されている。

今年1月にも月産420tから580tへの増強を発表していたが、両工場において現有設備の転用等による追加増強を段階的に図り、2026年3月までに月産720t、同年9月までに同840tへと増強させる。

FaradFlexは、各種情報通信機器の高速化・大容量化に向けて大きな課題である通信ノイズを低減する材料として、高性能のルーター・サーバー機器やスーパーコンピュータ向けの多層基板、スマートフォンに内蔵されるMEMSマイクロフォンなどに使用されている。

生産拠点であるマレーシア工場および埼玉県の上尾工場の両拠点で生産能力を増強する計画で、2022年時点と比べて約2.2倍に増強が完了しているが、今後も引き続き生産設備の増設や現有設備での生産性改善を進めることで、2026年3月までに現在の約1.6倍(2022年比で約3.5倍)の生産体制へ増強する。

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