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三井三池の「炭鉱電車」雄姿再び
大牟田・荒尾で走行も

三友新聞 2024年5月9日号 より]

近代において三井発展の礎となった三井三池炭鉱で活躍し、2020年まで三井化学大牟田工場で現役稼働していた「炭鉱電車」が、福岡県大牟田市、熊本県荒尾市で再び脚光を浴びている。

4月12日、大牟田市でトラック輸送などを手掛ける地元企業・白石HDが展示施設「炭鉱電車ステーションゼロ」を完成させ、記念式典が行われた。民間企業が炭鉱電車の展示施設を開設するのは初めて。三井化学から無償で譲り受けた電気機関車19号と11号の2両、牽引車1両、踏切、歴史展示ギャラリー、ショップなどを備える。三池炭鉱鉄道の起点であるゼロキロポストのあった場所であることから、施設名にゼロをつけた。敷地内にはレールを復元し、走行も可能。6月までは第3土日に開園する。1日3回、19号車の乗車体験を催す。開園時間は午前10時から午後4時。

荒尾市の万田坑では、12号機と18号機の2両を三井化学から譲り受け、旧選炭場に展示施設を整備し、昨夏にオープンさせた。こちらも走行できるレールを備えており、この4月からは動態保存している12号機を毎月第2・4日曜に1日6回走らせる。

炭鉱電車はこのほか、大牟田市の三川坑跡で静態展示されている。

記念式典には三井化学など関係者も参加した

ステーションゼロでは炭鉱電車を走行させる設備を整えた

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