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レアメタルの溶液化に成功
三井金属が「iconos」シリーズ開発
[三友新聞 2024年4月4日号 より]
三井金属(納武士社長)は、タンタルやニオブなどのレアメタルが液体に溶けた「溶液」の状態で提供する新材料「iconos(イコノス)」シリーズを開発した。従来、粉体の状態で利用されるのが一般的だったレアメタルだが、溶液化することで取り扱いを容易にするとともに、利用時の工程削減などへの寄与が期待される。
レアメタルはスマートフォンや自動車、電池など産業の様々な分野で使用され、現代社会を支えている。タンタルやニオブといったレアメタルは強酸以外に溶解しない難溶性の性質を持つことから、従来は粉体での取り扱いが主流だった。
三井金属は今回、強酸を用いずにタンタルやニオブ化合物の溶液化に成功。他の元素の溶液化にも着手し、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、タングステンをiconosのラインナップに加えた。
iconosは液体であることから混合や塗布などの取り扱いが容易で、かつ反応性が高いという利点があり、粉体での利用と比較して低エネルギーでの加工や製造工程が短縮できる。一方で安定性は高く、半年以上にわたる長期保管も可能という。
iconosは、「過去の因習を打破する人」を意味するiconoclastが由来。三井金属として、これまでの常識を打ち破る機能性材料という期待を込めている。