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スパコン提供しAI創薬支援
三井物産がNVIDIAと連携

三友新聞 2024年2月8日号 より]

三井物産(堀健一社長)は完全子会社のゼウレカ(務台明子社長)を通じて、AIによる創薬支援サービスと製薬企業同士の情報交換の場を提供する「TOKYO-1プロジェクト」を開始した。AI向けデータ処理に優れた米NVIDIA製の高性能半導体を搭載したスーパーコンピューターをゼウレカが所有し、製薬企業に最先端のシミュレーション環境を提供する。

サービス開始日となる2月1日には三井物産が、事業に参画するNVIDIA、アステラス製薬、小野薬品工業、第一三共とともに会見を開いた。三井物産・大竹賢二ICT事業本部デジタルサービス事業部長は挨拶で、「ヘルスケア業界全体のイノベーションを実現するハブになる」と語り、今後の展開へ期待を示した。

製薬各社はこれまで各社ごとにAIの活用を推進しており、従来の環境では「計算を諦めていたものが多かった」が、最新の技術により「いよいよ実用段階に入った」(アステラス製薬)とのコメントが寄せられた。具体的な例としてはタンパク質と化合物の結合について、従来では水など他の要素を盛り込んで計算することは難しかったが、様々な要素を含めたシミュレーションが可能になるという。

TOKYO-1では参画企業同士が共同で研究したいテーマを出し合い、投票によって検証内容を決めるなど非競合領域における連携を推進することも特徴。定期的な交流機会を創出しながら、メガファーマと呼ばれる海外の巨大製薬企業に対抗するための国内製薬業界強化につなげる。

サービス開始を記念し関係者で鏡開き

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