会員会社ニュース

東レが新炭素繊維「トレカM46X」開発
高弾性率を維持し強度を2割向上

三友新聞 2024年1月25日号 より]

東レ(大矢光雄社長)は、高弾性率を維持しつつ強度を約20%高めたトレカMXシリーズの新規炭素繊維「トレカM46X」を開発した。

炭素繊維複合材料の軽量化を通して環境負荷の低減に貢献することが期待され、東レでは今後、釣竿、自転車、ゴルフシャフトなどのスポーツ用途をはじめ、幅広い用途開拓を進め、2024年度に上市する予定。

炭素繊維の弾性率と強度はトレードオフの関係にあるが、東レではそれを両立させる技術開発を進め、繊維内部の黒鉛結晶構造と配向性を制御する技術を適用したトレカMXシリーズを開発。18年に「トレカM40X」を上市し、高い評価を得ている。

新たな「M46X」は、構造制御技術を極限まで追求し、繊維内部の黒鉛結晶構造を超微細かつ超高配向にナノレベルで制御することで、従来同等の弾性率を維持したまま、20%以上の強度向上を実現させた。

また併せて東レ独自の革新的な微細構造制御技術ナノアロイをマトリックス樹脂に適用した「トレカM46Xプリプレグ」も同時に展開する。圧縮強度が大幅に向上し、部材の強度を維持したまま高剛性化が可能になり、製品軽量化や設計自由度の拡がりなどへの貢献が期待できるとしている。

他の記事も読む