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商船三井が液化CO₂輸送船の承認取得
カーボンバリューチェーンの早期事業化目指す

三友新聞 2023年7月6日号 より]

商船三井(橋本剛社長)は、液化CO₂輸送船及び関連する浮体式設備の設計基本承認を米国、ノルウェーの船級協会から取得した。液化CO₂船を活用したカーボンバリューチェーンの早期事業化を目指す。

6月26日にマレーシア・クアラルンプールで開催された国際会議「エナジー・アジア」の会場で授与式が行われた。船舶に使用される製品や材料はその種類や用途に応じて船級協会の検査・承認を受ける必要がある。

CO₂を回収して地下に貯蔵したり、再利用するカーボンバリューチェーンは、CCUS(炭素回収・利用・貯留技術)と呼ばれ、専用船による液化CO₂の海上輸送はCO₂回収地と利用地を結ぶ重要な役割を担う。

液化CO₂輸送船の完成イメージ

今回、設計基本承認を取得したのは3種の液化CO₂輸送船(LCO₂)とCO₂の受入・払出を行う洋上浮体設備(LCO₂FSO)。マレーシアの国営エネルギー企業・ペトロナスと中国の船舶設計機関・SDARI(Shanghai Merchant Ship Design and Research Institute)と共同開発したもので、LCO₂の液化CO₂積載量は1万4,000m³から8万7,000m³、CO₂FSOは9万6,000m³。

商船三井は液化CO₂専用船を手掛けるノルウェーのラルビック・シッピング社にも出資しており、輸送から貯留まで将来におけるCCUSの多様なニーズに対応する準備を進めている。

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