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日本橋三越本店、売上高1,400億円へ
外商強化、デジタルで顧客分析推進

三友新聞 2023年7月6日号 より]

三越伊勢丹ホールディングス(細谷敏幸社長)は6月30日、日本橋三越本店内の三越劇場で三越本店事業説明会を開いた。顧客の識別化や外商戦略の強化などにより、昨年度の本店売上高は前年を約20%上回る1,384億円とコロナ禍前の2019年度の1,330億円を超えた。今年度は1,400億円超を目指す。

4月に着任した丸井良太本店長は、「業績は計画を1年前倒しで達成する見込み。着実にV字回復している。日本橋は外商やお帳場など顔の見えるお客様が多い店。CRM戦略(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント、顧客関係管理)をさらに強化する」と意欲を示した。

包装紙「華ひらく」など三越の伝統・文化に触れながら事業方針を語った丸井本店長

具体的にはアプリによるデジタル会員やエムアイカード会員を増やし、購買履歴などのデータがわかる「識別顧客」を拡大させる。コロナ禍前と比較して識別顧客の売上シェアは54%から65%、年間100万円以上の購買顧客も50%を超えており、年代別では30代から50代が大幅に増加。30代の伸長率は2.2倍に達した。

日本橋は顧客情報を一元化。来店日などを共有した上でフロア毎の担当者が家族構成に合わせたきめ細やかな接客を行う。三越創業350周年記念企画では、8月にディズニーの特別展を開く予定。また、丸井本店長は三井記念美術館で開催中の「三井高利と越後屋」展に触れた上で、「限定記念缶の売れ行きは好調。お客様には『缶コレクター』がいるほどで、一部はすぐに完売した」と話した。

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