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三井E&Sが世界初の水素クレーン
港湾荷役作業の脱炭素化に貢献

三友新聞 2023年5月11日号 より]

三井E&S(高橋岳之社長)は、水素燃料電池を動力源とするラバータイヤ式門型クレーンの開発・実証実験に世界で初めて成功した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された助成事業によるもので、港湾荷役の脱炭素化が期待される。

従来の門型クレーンでは、ディーゼルエンジンを使用したハイブリッド型や充電式電池などが検討されてきたが、完全にゼロエミッション化できないことや充電時間がかかり過ぎることなどが課題だった。

開発したクレーンは発電機と水素タンクなどをセットにした「FCパワーパック」を装備。発電した電力を大容量のリチウムイオン電池に蓄電し、瞬間的な出力にも対応できる定常運転を可能にした。

FCパワーパックを装備したラバータイヤ式門型クレーン

三井E&Sの大分工場で行われた実証実験では、クレーンの動作や水素消費量、運用性が検証され、実作業に適用できることが確認された。

今後はNEDO採択の助成事業として、北米ロサンゼルス港における港湾水素モデルの実証実験にも取り組む考え。このほか、クレーンを含む港湾機械やコンテナ輸送トラックの動力源を水素燃料電池化する実証実験も行う計画で、港湾荷役のゼロエミッション化をさらに推し進める。

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