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昆虫で下水汚泥を再利用
三機工業が飼料化・肥料化を研究

三友新聞 2023年4月13日号 より]

三機工業(石田博一社長)は昆虫を活用した下水汚泥の再利用研究を始める。このほど、国土交通省の下水道応用研究として採択された。下水汚泥を昆虫の餌にするとともに、昆虫を飼料や肥料にする技術の開発を進める。

採択されたのは「昆虫を利用した下水汚泥の飼料化と肥料化の研究」。三機工業と沖縄科学技術大学院大学(OIST)、OIST発のスタートアップ企業・バイオアルケミーの3者で、これまでにない汚泥の処理技術として昆虫を用いた飼料化・肥料化に取り組む。実施期間は今夏から来年3月まで。バイオアルケミーは昆虫や菌を活用した食品廃棄物処理事業などを展開。三機工業は下水処理設備で数多くの実績がある。

研究では、汚泥に化学処理や微生物処理を加えて改質し、昆虫が餌として食べて処理する。汚泥を食べて成長した昆虫は飼料に、昆虫のふんは肥料として利用する。三機工業は汚泥の改質処理開発や事業化の検討を担当する。

下水処理場から発生する汚泥の約7割は焼却されており、一部は焼却処理後に建設資材に再利用されているものの、地方都市では多くがそのまま埋め立て処分されている。汚泥は肥料成分であるリンを高濃度に含むため、肥料価格や飼料価格が高騰するなかで、循環型資源としても期待されている。

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