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マイクロ波で炭素繊維製造の環境負荷低減
三井化学名古屋工場に実証設備新設

三友新聞 2022年12月1日号 より]

三井化学(橋本修社長)とマイクロ波化学は、環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術について、約20億円を投じ、三井化学名古屋工場内に実証設備を新設する。来年12月に完工の予定。

両社は今年5月、CF製造工程中で最もエネルギー消費の大きい耐炎化プロセスに加え、炭化プロセスの両工程を一貫してマイクロ波により焼成するという革新的な製造基盤技術を確立したことを発表。加熱処理時間が大幅に短縮されるため焼成プロセスのラインが短くなり、設備をコンパクトにすることが可能であると共に、装置自体も高温にならないためコストやエネルギー消費、安全面のメリットも見込める。

特にエネルギー消費量は従来比で半減させることができ、将来的にマイクロ波を発生させるための電源を再エネに変更することで90%以上のCO₂排出削減も期待できるという。マイクロ波化学は同技術に「Carbon-MX」と名付けた。

実証設備導入において、マイクロ波化学は同技術による焼成ラインの機器一式を三井化学に供給し、三井化学は全体プロセスを構築する。完工以降は、両社共同で量産技術確立の検討を進める予定。

実証設備ラインの全体イメージ

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