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CNFと天然ゴムの複合材
王子HDが開発、サンプル提供開始

三友新聞 2022年11月24日号 より]

王子ホールディングス(磯野裕之社長)は、独自製法で製造したCNF(セルロースナノファイバー)と天然ゴムの複合材を開発した。木材由来で環境配慮型の素材として、今後、自動車など各種産業への展開が期待される。

伸縮性や耐摩耗性に優れる天然ゴムはタイヤやホースなど様々な用途に用いられるが、多くの用途では「硬さ」が重要な性能とされる。

元々、柔らかいことが特徴のため、一般的には化石燃料由来のカーボンブラック(CB)などを混合して硬さを与えているものの、伸びが損なわれるという課題に加え、化石燃料由来素材からバイオ素材への転換というニーズも高まっている。

王子はCBの代替として、独自のバイオ素材であるリン酸エステル化CNFと天然ゴムを複合化したゴム素材を、信州大学・野口徹特任教授との共同研究で開発することに成功。新開発したCNF/天然ゴム複合材は、硬さはCB配合と遜色ない一方で、伸びではCB配合に比べ1.3倍にもなるという。

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