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「ファラドフレックス」の生産力2倍へ
三井金属、通信機器の小型化需要に対応

三友新聞 2022年8月4日号 より]

三井金属(納武士社長)は、通信機器の基板に内蔵できるキャパシタ材料「ファラドフレックス」(FaradFlex)の生産能力を増強する。従来の生産拠点であったマレーシア工場の生産能力を増強するとともに、埼玉県上尾市の上尾事業所に新たに生産設備を導入する。2拠点での生産体制を構築することで、ファラドフレックスの生産量を現在の約2.2倍とするとともに、事業継続性の安定を図る。

キャパシタは電気を蓄えたり抵抗として機能したりする回路上の部品。電子機器の小型化要求にともない基板上では各部品が高密度で実装される傾向にあるが、ファラドフレックスは基板に内蔵可能なため、基板上の実装部品密度を下げ、基板面積の縮小と最終製品の小型化に貢献する。

ファラドフレックスは、各種情報通信機器の高速化・大容量化に向けて大きな課題である通信ノイズを低減する材料として、高性能のルーター・サーバー機器やスーパーコンピュータ向けの高多層基板、スマートフォンに埋蔵されるMEMSマイクロフォンなどに使用されており、三井金属では極薄銅箔の「マイクロシン」や電解銅箔に続く将来の成長事業に位置付けている。

マレーシア工場の生産能力増強は今年10月に、上尾事業所への生産設備導入は来年10月に完了する予定。

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