会員会社ニュース

巨大船向け離着桟支援装置、搭載開始
三井E&SとENEOSオーシャン共同開発

三友新聞 2022年6月2日号 より]

三井E&S造船(船津勇社長)と三井造船昭島研究所(前田泰自社長)、ENEOSオーシャンの3社は、危険物輸送を担う全長200m以上の巨大船向けに離着桟支援装置を開発し、原油タンカーへの搭載を開始した。安全性向上や船員の作業負荷軽減に貢献する。装置は現在、特許出願準備中。

ENEOSオーシャンはENEOSが所有する原油タンカーなどの船舶の運航管理業務を担っている。厳しい安全管理が求められるなかで培った同社の操船ノウハウと三井造船昭島研究所の入港支援技術、三井E&S造船が開発を進める自動運航技術を組み合わせることで、離着桟支援装置は開発された。

着桟時には船体の姿勢を適正に保ちつつ低い速度でコントロールする必要があり、ミスがあれば大事故につながるなど操船者への技術的・精神的負担は大きい。開発した離着桟支援装置はcm級の位置計測が可能なGNSS(衛星測位システム)が搭載されており、船の位置を正確に算出できる。装置により操船者は、ブリッジ内では専用モニタで、他の場所でもタブレットやスマートフォンを利用して船の位置や挙動、速力、風力等の情報が正確に把握できるようになる。

離着桟支援装置は既存船、新造船ともに搭載可能。三井E&Sは装置の実装拡大により業界の安全性向上に貢献したい考え。

他の記事も読む