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廃機繊維を紙原料に配合
王子HD、混抄紙「MEGURISH(綿)」開発

三友新聞 2022年2月24日号 より]

王子ホールディングス(加来正年社長)傘下の王子エフテックス(島﨑克彦社長)は、これまで廃棄されていた繊維・端切れ・回収衣料等を紙原料に配合した循環資源混抄紙「MEGURISH(綿)」を開発した。繊維を廃棄せず、紙原料にアップサイクルし新たな価値を付与する。

原料となるタオル用糸

衣料業界で使われなかった繊維や回収衣料などの廃棄が問題とされている中、王子は老舗タオルメーカーの楠橋紋織(愛媛県今治市)と共同で、タオル製造工程で発生するタオル用糸や端切れの紙原料化を検討。王子グループが持つ紙・パルプ製造技術を活用して開発に成功した。

楠橋紋織では高級タオルブランド「ロイヤルフェニックス」のギフトボックスと包装紙に採用を決めており、3月頃から発売される予定。楠橋紋織のほかにも一般販売していく。

「MEGURISH(綿)」は、配合する繊維が製造のたびに異なるため、生産ロットごとに色調や風合いが変わるという無作為性による付加価値がもたらされる。通常の紙に比べ生産コストは若干上がるものの、性質はほぼ変わらず、リサイクルもできる。

高級タオル「ロイヤルフェニックス」のギフトボックスに採用

包装紙への採用例。生産ロットごとに風合いが変わる

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