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ロシアに世界最大級の浮体式LNG貯蔵設備
商船三井、北極海航路の安定輸送に

三友新聞 2021年9月9日号 より]

商船三井(橋本剛社長)は、ロシア向けに船舶型の浮体式LNG貯蔵設備「FSU」を2基提供する。

ロシアの天然ガス大手・ノバテク社が手掛けるLNG計画における中継基地として、東側のカムチャッカ半島・ベチェビンスカヤ湾と西側のムルマンスク・ウラ湾に世界最大級のFSUを1基ずつ設置。氷に覆われた北極海を航行できる砕氷船で運ばれたLNGをFSUで中継し、従来型のLNG船に積み替えた後にアジアや欧州へ輸送する。

LNG輸送航路は欧州行きとアジア行きがあり、それぞれにFSUを設置する

FSUの規模は容量36万m³。現在、韓国・大宇造船海洋で建造している。操業開始は2023年頃の見通し。2基合わせて年間約2,000万tのLNGを積み替える。

ロシア北極圏では操業中の「ヤマル」に加えて「アークティック2」などのLNGプロジェクトが進められており、商船三井はヤマル向けに砕氷LNG船を3隻運航。アークティック2向けにも新たに3隻の砕氷LNG船を建造中だ。アークティック2には三井物産(堀健一社長)も参画しており、石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同出資している。

LNG積替作業のイメージ(中央がFSU)

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