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AIによる船舶の最適航路算出目指す
商船三井が米ベアリング社との協業拡大で

三友新聞 2021年2月25日号 より]

商船三井(池田潤一郎社長)は船舶の運航にAIを活用する。米国のAIスタートアップ・ベアリング社と2019年に結んだパートナーシップ契約を拡大させた。目的地に至るまでに選択できる航路・出力などのデータをAIに深層学習(ディープラーニング)させることで最適ルートを導き出す「スマート・ルーティング」の実用化を目指す。

ベアリング社はAIの世界的権威で米スタンフォード大学のアンドリュー・ング教授が創設に関わり、三井物産も出資するAIスタートアップ。船舶向けに特化したAIを研究開発しており、過去の運航データや船速、気象情報などを組み合わせて運航時の燃料消費量などの指標を高い精度で予測している。

「スマート・ルーティング」では数万通りの組み合わせの中からAIが船舶の安全性や定時制を確保した上で、燃料消費を効率化する最適な航路や船速を割り出す。現在は自動車運搬船やドライバルク船で実証実験を進めている。

今回の契約拡大ではベアリング社の関係会社にも協業範囲を広げ、AIに関する専門知識や技術・製品に対してさらに理解を深める考え。

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