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回路形成材料「HRDP」の量産を開始
三井金属、高機能半導体の生産性向上に貢献

三友新聞 2021年2月18日号 より]

三井金属(西田計治社長)は、次世代半導体チップ実装用特殊ガラスキャリア「HRDP」の量産を開始する。超高密度の回路形成を可能にし、高機能半導体の製造効率向上に大きく貢献するもので、5G(第5世代移動通信システム)の本格普及を支える製品となる可能性がある。

三井金属は半導体の微細回路を形成する材料としてキャリア付き極薄銅箔の「MicroThin」を生産し、世界トップのシェアを誇る。キャリアとは、薄すぎて単体では扱えない銅箔を支える支持体のことで、今回量産を始めるHRDPではガラスを支持体に採用した。0.3μmの銅層、0.1μmのチタン層、無機剥離層などで構成される機能層が、1.1mm程度のガラス上に形成されている。

薄膜技術に強みを持つジオマテックと協働で量産技術を確立し、同社の赤穂工場(兵庫県赤穂市)内に製造ラインを整備した。現在の生産能力は年間3万m²で、1月から国内の半導体メーカーへ出荷を開始。21年度中には海外メーカーでもHRDPを適用した量産計画が進み、合わせて生産能力も増強する。

国内には半導体製造装置を取り扱う有力企業が多く、三井金属は今後、これらの企業と連携しながら、HRDPの価値提案を半導体業界に展開していく考え。

銅・チタン・ガラスからなる「HRDP」の構成図

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